1. はじめに
本ルールブックは、病めるときも健やかなるときも麻雀と苦楽を共にする愛好会メンバーが参照することにより、対局時の迷いを減らし、楽しく円滑にプレイすることを目的として策定したものである。
プレイヤーを絶対的に拘束するものではなく、あくまで標準ルールとして参考にすべきものである。レギュラーメンバーは特に初心者・ゲストへの思いやりを常に忘れないこと。
2. 対局開始
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座席決めはつかみ取り(白なし)によって行う。風牌4種各1枚をよく混ぜて裏返した後に1人1枚ずつ引き、起家マークがセットされている席(明確にセットされていない場合、あるいは参加者の合意があれば希望する席でもよい)を仮東として順に着席する。
座席決めは原則として、半荘の開始前に毎回行う。ただし、参加者に著しい疲労が見られる場合はこの限りではない。 -
仮東に着席した者が仮親としてサイコロを振り、その出目に従って起家を決定し、対局を開始する。親決めのサイコロは1度振りとする。
3. 対局中に関するルール
3.1. 場の進行について
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途中流局が発生するルールは、一切採用しない。
代表例として以下のようなものが知られているが、これらのような状況が発生しても流局とはせず、その局を続行する。-
九種九牌
1巡目時点で9種以上の么九牌(一九字牌)を持つ者が流局を希望すること -
四風連打
1巡目に4家全員が同種の風牌(東南西北)を切ること -
四家立直
4家全員がリーチをかけること -
四開槓
4家で合計4回のカンを行うこと5回目以降のカンは嶺上牌をツモれないため不可とする。
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ある1局の和了以外の要素によって点数の移動が生じるルールは、不聴罰符および錯和による罰符を除き採用しない。
代表例として以下のようなものが知られているが、これらのような条件が成立しても、それ自体を名目とする点数のやりとりは行わない。-
流し満貫
ある1家の全ての捨て牌が么九牌で、かつそれらが一度も鳴かれずに流局を迎えること -
八連荘
1家が8回連続で和了すること
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原則として東・南の半荘戦を1ゲームとし、点数状況によらず南4局で終了とする。
ただし、いずれか1家の持ち点が0点未満となった時点で飛び終了とする。この場合、その局までの点数移動は全て完了させた上で集計する。なお、持ち点0点は対局続行とする。 -
親が和了するか、流局時に聴牌を宣言する限り連荘を続行する。オーラスにおいても、親の順位にかかわらず同様とする。
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連荘および流局時には、次局を積み場とし、1本場につき300点を和了時の得点に加算する。積み棒は子の和了によってのみリセットする。
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流局時の聴牌料は場に3000点とする。ここでは形式聴牌を認める。
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全員不聴: 点数のやりとりなし。
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1家聴牌・3家不聴: 不聴の3家が聴牌者に1000点ずつ支払う。
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2家聴牌・2家不聴: 不聴の2家がそれぞれ片方の聴牌者に1500点支払う。
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3家聴牌・1家不聴: 不聴者が3家全員に対し、1家につき1000点ずつ支払う。
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全員聴牌: 点数のやりとりなし。
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供託棒は和了者の総取りとし、流局時に出ている供託棒は次局以降の和了者の総取りとする。
ただし最終局が流局した場合、1着の総取りとする。同点で1着が2家以上いる場合は、そのうち起家から最もツモ番が早い者の総取りとする。
3.2. プレイについて
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供託棒を出せない状態(持ち点1000点未満)でのリーチは認めない。持ち点がちょうど1000点からのリーチは認める。
持ち点が1000点以上あるが1000点棒を持っていないことに気付いた場合、その場での両替を認める。 -
振聴リーチは認める。
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ツモ番無しリーチは認める。ただし、海底牌のツモ番ではリーチできない。
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オープンリーチは採用しない。
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リーチ後の暗カンは、面子構成が全く変わらない場合に限り認める。送りカン(111123がある状態で、4をツモって1をカンする行為)は禁止。
面子構成さえ変わらなければ、たとえ役が増減する(三槓子が新たに付くなど)としても問題ない。
面子構成が変化する暗カンを行って和了または流局した場合は錯和とする。 -
空聴のうち、待ち牌を自分の手牌(晒した牌を含む)で全て使っている状態は不聴扱いとする(これを聴牌と見なすには5枚目の存在を仮定するしかないため)。この状態でリーチをかけた場合は不聴リーチと見なす。
逆に、待ち牌のうち少なくとも1枚が、河・他家の副露牌・ドラ表示牌のいずれかに見えていることによる空聴は、聴牌として認める。この状態でのリーチは反則とはしない。要するに、「同じ牌が4枚しか存在しない以上、その局に限らず理論上絶対に作れない牌姿」の1手前は「聴牌」とは言わない、という意味。
「その局の状況のせいでたまたま完成できないだけで、和了形としては存在し得る牌姿」の1手前なら「聴牌」としてよい、ということ。 -
リーチ宣言牌で他家からのロンが発生した場合、そのリーチは成立していないものとする。このため、供託しようとしていた1000点は放銃者が回収する。
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和了牌の見逃しは同巡内振聴、リーチをかけた後の見逃しはその局の終了まで振聴とする。
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同時発声時の優先順位はロン > [ポン・カン] > チーとする。
一方の発声が極端に遅かった場合は、早かった方の行為を成立させ、遅かった方を空行為と見なす場合がある。チーは優先順位が最も低いため、上家の打牌から少し間をおいて発声すること。 -
暗カン・加カンは、ツモ牌に限らず既に手の中にある牌を使って行ってもよい。
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カンドラは暗カン・大明カン・加カン全てにおいて即めくり(カンドラをめくってから嶺上牌をツモる)とする。
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海底牌のツモ番でのカンは、嶺上牌が残っていても認めない。
-
河底牌に対するポン・チー・カンはいずれも認めない。
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2家以上が同時にロンを宣言した場合、放銃者から見て最もツモ番が早い者のみ和了を認める(頭ハネ)。ダブロン・トリプルロンは採用しない。
-
流局時、聴牌しているが不聴を宣言する行為は、リーチをかけていない限り親・子とも認める。裸単騎で不聴宣言してもよい。
4. 役・点数計算
4.1. 採用役の一覧
下表に示す役を採用する。下線 のある役は喰い下がり対象とし、その役を構成する面子か否かにかかわらず、1度でも鳴いた場合は1飜減じる。喰い下がり役が複合する場合は、対象役の全てから1飜ずつ減じる。
青字 の役は門前限定役。特に喰いタンなどと複合しないことに留意。
役名 |
|
|---|---|
1飜 |
|
2飜 |
|
3飜 |
|
6飜 |
|
役満 |
|
4.2. 点数早見表
|
4.2.1. 子の点数表
| 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 | |
|---|---|---|---|---|
20符 |
× |
- |
- |
- |
25符 |
× |
1600 |
3200 |
6400 |
30符 |
1000 |
2000 |
3900 |
満貫 |
40符 |
1300 |
2600 |
5200 |
|
50符 |
1600 |
3200 |
6400 |
|
60符 |
2000 |
3900 |
満貫 |
|
70符 |
2300 |
4500 |
||
80符 |
2600 |
5200 |
||
90符 |
2900 |
5800 |
||
100符 |
3200 |
6400 |
||
110符 |
× |
7100 |
||
5飜 |
6~7飜 |
8~10飜 |
11飜~ |
役満 |
|---|---|---|---|---|
8000 |
12000 |
16000 |
24000 |
32000 |
4.2.2. 親の点数表
| 1飜 | 2飜 | 3飜 | 4飜 | |
|---|---|---|---|---|
20符 |
× |
- |
- |
- |
25符 |
× |
2400 |
4800 |
9600 |
30符 |
1500 |
2900 |
5800 |
満貫 |
40符 |
2000 |
3900 |
7700 |
|
50符 |
2400 |
4800 |
9600 |
|
60符 |
2900 |
5800 |
満貫 |
|
70符 |
3400 |
6800 |
||
80符 |
3900 |
7700 |
||
90符 |
4400 |
8700 |
||
100符 |
4800 |
9600 |
||
110符 |
× |
10600 |
||
5飜 |
6~7飜 |
8~10飜 |
11飜~ |
役満 |
|---|---|---|---|---|
12000 |
18000 |
24000 |
36000 |
48000 |
4.3. 役・点数の細則
-
喰いタン(鳴いての断么九)は認める。
-
役の中付け・後付けはいずれも認める。
手牌に役がない状態で、役が確定しない面子から先に鳴くこと。
あるいは役牌を和了牌として、手役がその役牌のみになることなど。 -
自風牌・場風牌は複合する(ダブ東・ダブ南)。なお、連風牌の雀頭は2符とする。
-
同種牌の4枚使いによる七対子形は認めない。このため、緑一色・清老頭は七対子形では成立しない。
-
緑一色は發を使わない牌姿でもよい。
-
搶槓は加カン宣言に対するロンのみ認める。暗カンに対する国士無双のロンは認めない。
-
搶槓の際、放銃者の加カンは成立していないと見なすため、新たにカンドラをめくることはできない。
同様の理由で、搶槓と一発は複合を認める。 -
嶺上開花は全てツモ和了扱いとし、大明カンさせた者に責任払いは発生しない。
-
役満は全て1種につき一律でシングル役満とする。大七星(七対子形の字一色)・国士無双十三面待ち・四暗刻単騎待ち・純正九蓮宝燈などの特筆形も、ダブル役満扱いとはしない。
ただし、役満同士の複合は認め、役満の得点×成立数を得点とする。 -
大三元・大四喜・四槓子に対して、包則を適用する。
大三元・大四喜で最後の1種が大明カンされた場合も、包則の対象とする。上記各役の成立まで残り1面子であることが他家からも確認できる状態(当該役に関わる面子が残り1面子以外全てポン・カンされている状態)で、最後の1面子を確定させる打牌をした者(以下「責任者」)に対し、以下の通り責任払いを課すこと。
-
ツモ和了→責任者が全額を支払う。
-
ロン和了→放銃者と責任者が半額ずつ支払う。
※役満の複合時は、包則の対象役についてのみ上記の責任払いを適用し、他の役の得点分は通常の和了と同様の支払いとする。
-
例1: 親による大四喜 + 字一色のツモ和了
責任者: 64,000点(大四喜の責任払い48,000 + 字一色16,000)
責任者以外: 16,000点(字一色16,000) -
例2: 親による大四喜 + 字一色のロン和了
放銃者: 72,000点(大四喜の折半払い24,000 + 字一色48,000)
責任者: 24,000点(大四喜の折半払い24,000)
-
-
人和は採用しない。子が第1ツモより前にロンした場合、役がない牌姿は誤ロンと見なす。
5. 集計
5.1. 要点
-
25000点持ち・25000点返し(オカ無し)、順位ウマは5-10とする。
-
いわゆる焼き鳥(1半荘を通して一度も和了できなかった場合のペナルティ)は採用しない。
5.2. 集計手順の詳細
-
(持ち点 - 25000) ÷ 1000 で、基礎点を算出する。
この時点での同点は、起家からツモ番の早い順に上位として計算する。 -
4着→1着に10点、3着→2着に5点を移動する(ウマ)。
順位 |
終局時の得点(a) |
手順1(b) |
手順2 |
|---|---|---|---|
1 |
41900 |
16.9 |
26.9 |
2 |
24200 |
-0.8 |
4.2 |
3 |
21800 |
-3.2 |
-8.2 |
4 |
12100 |
-12.9 |
-22.9 |
6. 反則
6.1. 錯和
反則者は罰符として、他家に対し満貫相当額(反則者が親の場合は4000オール、子の場合は子に2000・親に4000)を支払う。
同じ局で2家以上が錯和となった場合、その全員がこの支払いを行う。
局は積み棒を増やさずにやり直しとする。供託棒は前局の繰り越し分のみ維持し、その局で出されたものは反則者も含めて出した者が回収する。
| 呼称 | 具体例・備考 | ||||
|---|---|---|---|---|---|
|
|||||
|
|||||
|
|||||
場の致命的な破壊 |
|
6.2. あがり放棄
反則者の和了およびリーチ・ポン・チー・カンを全て禁止した上で、対局を続行する。ただし、ツモ切りはリーチ後の誤ツモ・誤ロンを除き強制しない(空リーチ時もツモ切りは強制しない)。
これ自体による罰符の支払いはないが、流局した場合は聴牌していても強制的に不聴扱いとする。リーチをかけていた場合は、手牌は通常通り公開しなければならない。
次局への進み方は正当な和了・流局時と同等とする。ただし、他家に錯和があった場合はやり直しとする。
ポン・チー・カンに関する反則においては、他家がリーチしている場合の一発は消滅しない。
| 呼称 | 具体例・備考 | ||
|---|---|---|---|
誤ツモ/誤ロン(発声止まり) |
|
||
誤ポン/誤チー/誤カン |
|
||
|
|||
先ヅモ |
|
||
喰い替え |
|
||
多牌/少牌 |
|
7. 参考資料
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主な競技麻雀関連団体 公式ルールリンク集
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集計ツール